ウルトラマントリガー感想②
↑前回
・トリガーかっこいいね
・主人公側の主要キャラの関係性はエモいね
・監督陣の画作りすごいね
・楽曲めっちゃいいね(早口)
という話でした。
その流れで一回総評入れます。前回やれ。
・トリガー総評
結論自体は前回も書きましたけど、僕はこのシリーズ基本的に好きな作品です。
坂本監督がメインのシリーズがもう大体そうなんですけど、加点方式だと100点!!みたいな感じですね。好き度の話です。
前回長々と申し上げた好きポイントのまとめとして、僕の場合「ここがティガっぽくていいね!」みたいなオマージュに加点するのではなくて、ティガやこれまでのニュージェネシリーズを踏まえたうえで「新しい良いモノを見せてもらった」部分をすごいクローズアップしていますね。越監督ほんと良いよな。越監督回だけでだいぶ底上げしてるなコイツ…
で、なんでここで総評入れたかですけど、ここから好きじゃないポイントも同じくらい長々と述べるので、僕自身の作品へのスタンスを改めて表明するのと、不快になりそうな方はここで回れ右して下さい。サヨナラ!
カツ兄、せめてトリガーのイラストにしろって…
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●
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はい。
好きじゃないポイントは語り合ったり反駁が欲しい訳ではないのでお含み置き下さい。
あとしつこいですけど、ニュージェネくらいしか見てないウルトラにわかである僕個人の感想ですからね。全体化しないでね。
- ストーリー面について言いたいこと
これトリガーに好意的な人も批判的な人も評価の高低を問わず十中八九挙がるポイントだと思いますが、ストーリー面のバランスについては程度はあれ擁護しがたいと思います。
詰め込みすぎってよく言われるのだけど、取捨選択が変かなと思ったりしました。最終回のカットシーンが歴代最多(最長?)とか、コロナで脚本の大半が修正を余儀なくされたとかありますけど、それがマジだったとして評価変わるのは僕みたいなBOXとか買うオタク層だけで、ターゲットにしたい一般層は世に出た(テレビ放送)ものが全てですよ。僕はディレクターズカット版とかで手の平くるっくるしますけども。出ればな!!!!
ただよく槍玉に上がるエタニティ回前後編についてはちょっと思うこともあったりして、「正史が分かんない」のはそこを狙ってパラドックスとして描いたと思ったり、詰め込みすぎというよりめっちゃ行間読ませてくる範囲に留まってるかな〜と思ったりはしたんですよね。過去形だけど。結果として良かったかはまあ、はい。
で、取捨選択が変なポイントとしては一個大きいなってポイントに「人としてのケンゴ」の描写の希薄さがあると思いました。
彼、キャラクター性は強いしそれはそれで好きなんですけど、「光であり人である」って言う割に光の化身である自分を前半が終わるタイミングで割とサラッと受け入れちゃうんで、最初の「スマイルbot」って揶揄されてた濃ゆいキャラ付けが馴染んできたあたりで人間味の薄いまま、ほんまもんの人外キャラになってんよね。
なんなら1話分割いてケンゴの過去話とかしてほしかった。横軸回っぽい感じで。
お母さんとのやりとりが3話分あったけど、全部なんか分かったようなわかんないようなことを言ってケンゴの背中を押す程度の役割しかないのも、ケンゴのキャラ付けの上でもったいないなぁと思ってしまいました。スマイルスマイルの由来とかケンゴをどう思って育てたとかそういう設定に対しての「具体的な描写」やなんなら伏線だって全然描けたと思うんですよね。最低でも「自分は光の化身だ」って知った直後にお母さんと1エピソード欲しかったっすね。横山めぐみが見たかったとかそういうアレではないです。ないんや。見たかったです。
なので僕は24話でカーチャンの下に精神体で現れた時のやり取りにあんまり乗れませんでした。
ユザレに言った「同じ一歩でも辛いより楽しい方が良い、だからスマイルスマイル」ってとても良いセリフもバックボーンがあるだけで説得力や深みがグッと増すし。
それに「闇である」っていう結論も「ケンゴ」の暗い部分がほとんどわからなかったので、これは演者の寺坂さんの持つ人間性が素晴らしいことの証左だと思いますが、そっかぁ…っていう感想以上の何かは無かったです。
トリガーダークだった過去を受け入れてのアレだとしたら、彼はすでに一回三千万年前に闇から光への転身してるんだし、前世で悪いことしてましたって自分を受け入れるより、そこのエピソードをそのまま描けば良かったんじゃねえか…?とか思ってやっぱり納得しづらい。過去と未来のケンゴが一つに…!ってやりたかったのは分かるけど、それは「ための」演出に見えるんです。
まあこれ実際映像化されたとして対して面白くなりそうもないし、なにより尺と人手の都合がつきそうもないし、エタニティ回前後編はあのぶっ飛んだエピソード故のインパクトがあるよねっていう言い方もできます…けど…うーん。
トリガーダーク自体、「イグニスが後で変身しますよ」っていう前フリが過剰にあったので「闇だった頃のケンゴ」感が薄いってのも言いたい。ケンゴ自体光が転生した姿だから、闇感ないのは当たり前とかそういう話はいらないですよ。
ことほどさように(うわー、ハゲ感すごい!)アキトの過去が語られるエピソードとか、登場怪獣のデスドラゴ共々妙にあっさりした印象だったり、ティガ怪獣の扱い方だったり、後半のイグニス推しのやり方だったり、製作側が拾ってくる部分が僕の好みと外れた取り扱い方だったなぁとは思います。
この辺りはやっぱりシリーズ構成、特に全体を見た限りでは、メインライターも兼ねられたハヤシナオキさんに由来する部分は大きいのかなと思うしかないです。悪しき原因とは梅雨ほども思いませんよ。ティガめっちゃ好きな方なんだろなってのはバシバシ伝わってきますよね。
- 最終回で特に言いたいことがあるんや
前回も書いた気がしますけど、エタニティ回でトリガーダークが心変わりした理由、あれすごいアクロバティックな語り口で僕は逆に好きなんですよね。言葉で説明してる尺がなかったからなんでしょうけど…。
そもそもトリガーダークがなんで三悪人と暴れてんだかが説明されないから、心変わりの理由も分からないという。三悪人もいまいちよくわかんないけど。
めちゃめちゃ独自の解釈なんで苦手な方は読み飛ばしてほしいんですけど、僕が見て受けた印象は、彼ちょっとヤケクソというか、刹那的に破壊活動してるなぁ、楽しそうではないなぁと思ったんですね。
というのも現在のケンゴがエンシェントスパークレンス使って自身に入り込んできた時、不敵さというか、余裕のある振る舞いがほとんど見られなかったからなんですけども。「トリガー、一緒に帰ろう?」ってケンゴが手を差し伸べた時の一瞬の躊躇の後、感情的に振り払うあたりは特に、余裕ねえなコイツ…ってなりますなりました。少なくとも得体の知れない奴が入ってきてキモい!みたいなものとは違うニュアンスだと思うんですけど、どうかしらん。
闇を出自とする自分がキライで、でも変わることなんかできないんだみたいな諦観と、光的なモノに対する劣等感と羨望の入り混じった想いと、そこから来るほぼ八つ当たりに近い怒りと苛立ちを感じたんですよね。要はアレ、うしおととらの白面の者。
でも「今は分かり合えないから殴り合って捩じ伏せるしかないね」っていうやりとりを通じてケンゴがトリガーダーク=自分自身って理解したように、同じくトリガー自身も目の前の光=3000万年後という途方もない未来ながら「変わることのできた自分自身の姿」と思い至り、ずっと煩悶としてたものが解けて和解へと繋がった、という解釈を放送当時からしているんですが、自分で言っててあの30分じゃくからこれを導き出すのは無茶というか、全てを好意的に見ないと厳しいかもですね。少なくともメイン視聴者層にはできない。
長々と語って何が言いたいかって言うとここまで僕は「ウルトラマントリガーは、言葉で語らないで映像で見せることもする作風」だと認識していたってことです。ナカナカヤルジャナイって思ってました。
そこで最終回です。
こんなシーンがありました。
メガロゾーアに劣勢の中、とうとう痛恨の一撃がトリガーを襲う。深海に沈んでいくトリガー。そんな中、あきらめない子どもたちの応援でトリガートゥルースに光が集まる。
ミツクニ「これは…あの時と同じ!」
回想でティガ最終回をジェネリック再現。
(子どもたち「僕がウルトラマンティガだー」などなど)
ミツクニ「そうだ…!笑顔には、世界を救う力があるんだ!!」
いやダッサ!!!!!!
そこ言葉にするのも「ティガのあの時と同じですよ」って映像出すのも何もかも野暮だしダサいよ!!
子どもたちはこれくらいしないと分からないと思ってるのかもしれないけどちげーよ!ティガ見てねえと逆に伝わらねえよ!!
不思議パワーが集まって勝機が生まれた描写がオマージュ全開ですよってアピールされてるせいでトリガーとしてのアツさも半減してるよ!!
この後のスマイルスマイルをみんなで言うくだりが脈絡なくてお、おうってなる辺りとかなんか後から見て気づいたくらい衝撃を受けましたね。ホントここだけは誰がなんと言おうと好きになれないポイントです。
こういう無粋な演出自体はまた特撮に多いんですけども、んでトリガーも結構多かったんだけど、ここまで水を差す演出はそうそうないよ。
あ、これが言いたいためだけに多分2,500文字くらい費やしました。
最終回には他にも言いたいことあるんすけど、
・それまでガッツセレクト周りの描写がほとんどだったので=市井の人の描写がないので子どもの応援が唐突な印象を受ける(コロナ禍だし仕方ないよなぁ)
・オマージュの"ための"展開がすごい鼻につく(後述)
・ユナの自己犠牲を否定した上でケンゴの自己犠牲エンドはどうなん?
・その犠牲を皆わりと「そっかぁ」って感じで早々に受け入れられるし…ユナまで…アキトとの対比の"ための"描写かしら。
・ルルイエそんな感じの扱いなのは薄々察してましたけど、結果としてあんまり意味のある存在に思えませんでした。
・トリガートゥルースの強みがいまいち分からない(デザインめっちゃ好きですけど)
・メガロゾーア第一形態の戦闘あんなんならいる?
はい。僕は割と終わり良ければまあええやん。って感じなんですけど、その終わりが好きになれなかったんだよ、という話でした。単話単位ではすごい好きなとこもあるんだけど、大河ストーリーとしてね。
あと、これは最終回というか…ツブコンとか見ちゃった俺が悪いんだけど、でも円谷ファンなら見るじゃん、っていう点で言いたいんですけど。
ビターエンド狙ってんならエピソードZの予告出すタイミング考えて欲しかったな!!
「本人たちからしたら今生の別れかもしれないことに変わりない」「2年後帰ってくるって分かってるから安心して見れるんだ」って方も少なくない数いらっしゃいましたけど、僕はこういうパターンを視聴者として余韻が台無しになるよって受け取るタイプなので。ぼかぁダイナ最終回と手塚治虫あたりで結構深い傷と性癖を負ったせいでこだわり強いんだよ!
ビターエンドに安心を付加するならそもそもその展開にする意味がないですねん。
ラストシーンの「いつの日か蕾が花開くこと願って」感は、それだけ切り取れば好きなんですよ。
- ティガ要素の扱い方の良し悪し
良し悪しっていう書き方になりましたけど、イイワルイではなくてスキキライです。くどいですが。
これについては「好きなとこもそうじゃないとこもあるよ」って結論なんですけど、否定意見もそれなりにあるので性質上ここに書きます。
僕は光であり闇でもあるからどっちつかずなのは仕方ないんですね。そういうことじゃない?
トリガー放送前、放送中、放送後もわりと根強く聞く感想が「トリガーにティガ要素要らなかったわ」っていうやつなんですけど、「ティガ要素」ってなんなんでしょう?
名前?世界観?展開?キャラクター?エッセンス?スタッフ?闇の巨人?光と闇って言葉?スマイル?
メタ的なことを言ってしまえば「ティガありきで開始した企画だからティガ要素不要ってのはそもそもナンセンス」な訳だけど、きっとそういうことじゃないのよね。
で、これファンだけじゃなくて、もしかしたら作り手も含めて、共通認識としての「ティガ要素」が存在してなかったような気がします。今もしてないんじゃないか?
ていうかもう、正直「ティガ」がある種聖域化しちゃってるので…個々のティガ像が25年経った今、思い出補正を多分に含めて固まっちゃってるのもあって、表面的な要素に集中したり、どう扱っても刺さる人刺さらない人やスコシチガウ感じが出てしまうのは仕方ないと思いますが。
例え話って好きじゃないんですけど、なんていうか25年経てきたうえでティガが残していったオイシソウな部分を集めてまとめて掻き揚げにしたみたいな感想ですね。僕はチグハグではないと思うかな。
とりあえず全体を俯瞰したときに言葉の中身はフワッとしたまま駆け抜けたなぁって印象はすごい強いです。
「TFO」をチョイスしたこと自体は掘り下げられてない要素をピックアップするという点で別にいいんじゃないですか。しらんけど。ごめんなさい僕あんまそこにこだわってないんで賛否の意見が出ることがまずよくわからないんです。
ウルトラマンティガって銘打ってる訳だから立派なティガ要素ですよ。…と言いつつ、古代に蘇るティガを重点的にフィーチャーされてたら僕も「それはどうなんだ…?」とは思ったかもしれないので、これ以上は、はい。
ふわふわしてるなぁ…
んで明確な僕個人のヤダみとしてはなんですけど。部分部分でティガのストリームをなぞる展開があって、それをもって好きですって意見もわかりますよ。だって俺のために接待されて嬉しくない訳ないし。
ただそれが僕にはノイズになったり、チョイス自体も「今ここでそれ!?」みたいに感じられることがあったりなかったりしたんですね。
悪くはないんだけど引用するのその曲かぁとか、オリジナルの劇伴が良かったなぁとか。小うるさいファンですね。
んで、その最たる例がやっぱり最終回なんですけど、のこのこ海上に誘い出されるメガロゾーアや、なんとなく沈んでいってジェネリック的に子供たちの光で復活する一連のシークエンスとか、折角のトリガーの物語のクライマックスなのに、しょうもない(って言っちゃいます、ごめんなさい)いかにもなオヤジ接待で損なわれてしまったんですよね。
写真もあれ撮るタイミングはナースデッセイの変形モードお披露目直後とかの方がまだ記念的な意味で文脈として良かったと思うんすけど…とか色々。
ガゾートの「トモダチ」発言も放送当時は案の定触っただけの使い方だなあと残念に思ったのですが、本来「ヒュドラムがガゾートにトリガーが友達だと吹き込む」みたいなシーンがあったらしいですし、恐らく全部そんな感じでやむなくカットされたんでしょう。
俺みたいなたかが一ファンが考えられるようなツッコミどころを足木さんらプロの方々が思い当たらないわけないですから。
あ、千代ちゃん出してくる人いますけど、僕アレ思考停止で出してくる方がより好きではないので遠慮します。
松田姉妹のどっちかがザラガスが鋼のお寿司って言ってたので、箸休めに置いときますね。
好きな点としては、これまで書いてきたこととは少し矛盾したりしなかったりするかもしれませんが、そういうオマージュがあくまでも表層的だった所さんです。
ウルトラセブンとか最近だとアニメ版グリッドマンでもありましたけど、実はトリガーは姿の変わったティガ本人あるいはその残された力とかそういうのもなく、なんか似てるひと。これはあとでムック本とかで設定繋げてきそうだけど…。
TPUとかGUTS-SELECTとか名前も何で似てんの?っていう点は昔ネオフロンティアスペースから来たおじさんがいて、そのおじさんが昔の現場を意識して設立した組織だからです!っていう理屈はあって。だったらもういっそまんまの名前使っていいだろとかどんだけ滅私奉公すればあの位置に立てるんだよとかあるけど置いといて、名前に名前以上の意味があんまなかったのがいいです。
多分あの世界の一番の功労者宅麻伸だよな…。次点でアキト。
トリガーの好きなところはティガの流れはあってもティガに寄らないでトリガーをやろう!って部分に集約されてますので、そんな感想。
ただ、さらに矛盾することを言わせて貰えばキリエロイドの暗躍に2話使って、本人はアレだけの尺しかもらえないのはマジでアドリブ合戦やカルミラ達に尺裂きすぎだと言いたい。隊長面白かったけども。
いやマジでキリエロイドめっちゃ楽しみにしてたの!
しかも出たと思ったらすぐ光の玉が遠くでバッチンバッチンやってるだけの画になっちゃったし地上戦めっちゃカメラ揺らすからよく見えないし!
はい。
ここでティガ出したのはまぁ英断というか、(ティガをそのまま出してくること自体をあんまり良く思ってはいないんですけど)最終回は安いオマージュとかしないんだろうと期待が強まりましたね。
はい、最終回にとやかく愚痴ってるのはここで勝手に期待して勝手に裏切られた結果です。あぁ愚か。
- キャラクターの掘り下げ
これは別に好き嫌いとは別の感想なんですけど、やっぱキャラの掘り下げもっと欲しいですよね。
僕以外の方も思われてるかもしれませんが、テッシン・ヒマリあたりは特に描写が薄かったな。だからキャラを強めにしたんでしょうけど。春川さん残念美人で好きなんですよね。
隊長は案外要所要所の存在感はあったのでそういう薄さは感じなかったですけど、裏を返せば普段は…って話でもあり。
ケンゴの正体に気づいた描写、縦軸の中では特に活かされなかったような?うろ覚えですが。
放送当時から知り合いが隊長と宅麻伸の過去の出演作(めっちゃチャラ男)の画像ばっか送ってきて笑ってしまった。
僕思ったんですけど、筋トレキャラが「ド根性ォ〜!」って言いながら操縦するなら、物理的な操縦桿はあって良かったんじゃないでしょうか…。
前回も書きましたけど、主人公のケンゴでさえ必要な(と、僕が思っている)描写が足りてないのは尺の都合で済ませられる部分なのか、アキト過去とかあんなんでいいのか、とか言いたいところではあるんだけど。
でも、実際の作中でキャラがわちゃわちゃ仲良くしているのはいい雰囲気だなぁってそれは思いますよ。ダーゴンに「お前もユナのこと好きなんやな!ライバルや!」って言われて焦るアキトと満更でもないユナとかはそりゃあキャラ萌えってこういうことだなぁってなりますよ。リブットブートキャンプを踊るケンゴもユナも神葉君もめっちゃ可愛いなぁってスマイルになりましたし、ギャラファイ3もより楽しみになりました。放送後にどこからともなく「ユナが写真集出しとるで」って水着写真出てきてユナっていうかルナちゃんっていうかなにとは言わんがスゴイな!って思いましたよ。ダーゴンの見た幻だけ「とりあえず花を受け取ってはくれたユナ」って形で半分成就しててくれとか願いましたし、カルミラが可哀想だったし、スマイルスマイル言ってんなら敵役までスマイルさせてくれって思って最後にせめて意志表明はしてくれて満足しました。ヒュドラムがズタボロにされて惨めに死んでいったことに愉悦したよし、やっぱメガロゾーアはいらんかったな。イグニスが死ぬこともなく終われて他ならぬアキトに見送られて去るあたりも良かった。まあ死なないことはEpZ予告ではっきりしてたけど。
2度目だけど号泣するアキト見てあー本当に仲良かったんだなぁ良い現場だったんだなぁって思いましたよ。
くそ!俺はウルトラマントリガーというシリーズについて好きじゃない点は多々あるけどだからって少なくとも嫌いにはなれない…いや!
ワイはトリガーが…好きなんや…!!
円谷プロはじめ坂本浩一監督ほかスタッフ・寺坂頼我さんほかキャスト皆々様の益々のご発展を心より願う所になります。
個人的には金子君はプロの素質ありそうなので、円谷の企画にいっぱい呼ばれて欲しい。
エピソードZも楽しみにしています。
おわり!!!!!!!!!!!
ウルトラマントリガー感想①
予め宣言しておきます。
一文字も余すことなく全て個人の感想です。
2021年7月から始まったウルトラシリーズ、ウルトラマントリガー。先日1月22日に最終回を迎えました。
正直クセの強いシリーズが多い(と思う)ニュージェネシリーズの中でもでもなかなかここまで賛否分かれることもないシリーズになったんじゃないかな、と思って、ふと急に筆をとることにしました。
感想なんて主観が入ってなんぼのもん、僕もフラットな目線とかじゃないです。胸のつかえを言語化したいだけなんです。
もうここまでで「あ、コイツとは話合わないな」と思われた方がいらっしゃったらすみません、多分その印象好転しません。
俺は俺、お前はお前!それでいいだろって思うんですけど。
失礼しました。「お前」は不適切なフレーズでした。
僕の立ち位置を最初に明らかにしておくと
・TDGドンピシャ世代、年齢的にコスモスからウルトラを離脱してハタチすぎくらいに戻ってきてギンガ(ていうか、列伝)からずっと見てます。アクターさん覚えたりはしました。
・昭和は初代だけ全話見てます。タロウは再放送で通しで見たはずだけど覚えてない。
平成は通して見たのはTDGのほかネクサスくらいで、あとは列伝知識です。
・変身アイテムとか防衛隊アイテムとかを買うことには興味ない。アーツ買ってるくらい
・好き嫌いと評価は別モン
・判官贔屓になりがち
っていう感じです。まあマニア層からしたらほんとニワカですよ。お手柔らかに。
僕はこの「好き嫌いと評価は別モン」ってことがすごい大事だと思っていて、この考えが合わない人はそうそういないと思うんだけど、意外に混同しがちなので常日頃から気をつけていたりはします。あくまで自戒であって人にまでどうこういう気はないです。
そいで結論から言うと僕はこの作品普通に好きです。少なくとも嫌いじゃないよ。
評価としてティガが世に出たときのインパクトを再現できたかって言うと、僕は当時3歳児だったので分かりません。おわり。
えぇ…
具体的に好きなとことそうじゃないとこを書いて、この結論に達した説明をしていきますね。
◆好きなとこ
・トリガーカッコいいじゃん!!
いきなり主観という"個人的感想"の鑑。
でも大事じゃん。ウルトラマンでは久しぶりにぱっと見から「あ、かっけー」って思いました。エックス以来かな?
こういうとオーブからゼットまではどうなんだよとか言われそうですけど。二元的にカッコイイワルイじゃなくて、それぞれに思うところがあったってだけです。いや今はみんな好きよ?
話を戻してナイスデザインポイント、まあ皆まで言うだろう小顔感すごいですよね。
マルチタイプは後藤さんデザインのウルトラの中でも割とひさびさに黒あんま使ってないカラーリングだけど紫色が似たような役目果たしてて普通にシュッとして見えるし。
個人的感想ついでに言っちゃうと僕原点のティガの膝から下のデザインがあんまかっこよくなくて好みじゃないんですけど、トリガーは赤と紫をそのまま膝下まで繋げてブーツ的処理をするっていうので「ええやん…」ってなりました。ニッチですね。
↑僕が描くティガ下半身トリミングされがち。
ティガっぽいけどティガじゃない感じがとてもいい…よくない?基本三形態はどれも好みです。
特にスカイタイプ、「ウルトラマンジード」のアクロスマッシャー辺りから青トラマンは2色の青を組み合わせてデザインされることが多いかなと思いますが、いわゆるスピードタイプでは歴代トップレベルのデザインきたな、と思いますね。スピードタイプと弓矢の組み合わせは正義。
・ケンゴアキトユナイグニスのキャラクター描写
ニュージェネの特色は?と言えばまずキャラクター描写が強い点にあると思います。
キャラクター描写一点に限って言えば僕は「R/B」シリーズの湊家が大好きなんですが、
トリガーの3人はR/B組とは違った意味である種の兄妹感があると思っていて。思わない?
家族というより兄妹、ですね。
アキトは2話で出てきて早々感情の振り幅が大きくて、以降一切乗れなかったって人もいそうな感じしますけど、早い段階でブロマンス方面に舵を切ったのはまあ正解だと思います。身内のギスギス毎回見せられるほどストレスなことないんで。
ウザイの一言に込められる感情表現も素直に出てて好きですよ。いや〜脚本の事情とか勝手に汲み取っちゃうからオタクは甘々ですね。
最終回のアキトは設定とかからしても子どもっぽい演技がグッと来る方に作用してて、「それがウザいって…」って嗚咽で言葉が詰まっちゃうとこリアルでよかったです。あれ演技じゃないだろ?
リブットさんと披露したダンスも可愛かったですね。いやもうあれケンゴとユナじゃなくて寺坂頼我と豊田ルナだろクッソかわいいなぁ。
創作物全般キャラクター性を過剰に強く押し出すこと自体があまり好きではないんでここで語れることも多くはないですが、彼ら3人の描かれ方は一部を除いて素直に良いなと思いました。
※僕はもうツブラヤイマジネーションで月イチで配信される「尊哉の部屋」という俳優・青柳尊哉さんが円谷スタッフからいじめられる番組で、寺坂さんと豊田さんがゲスト出演したあの日から、正確にいうと坂本監督の感謝の言葉が贈られて男泣きに泣く寺坂頼我を見てもうトリガーっていうかあの演者たちが好きになってしまったので、どうしても贔屓目な感想になります。
そしてイグニス、飄々とした雰囲気の裏には復讐という闇に身をやつす危うさが…危うさはあんまないという。とにかく早々に主人公たちと仲良くなっちゃうし、元々の善性が隠しきれないし隠そうともしてないし、ヒーロー性が高まっていって、最終的には…「宇宙を放浪してるけど主人公チームたちと仲良いオトナで、一時は暗い力に飲まれたりもするけど自分を取り戻し、地球を救うため光と闇の力で戦い、その後一段落を見届けてどこかへ去っていく」…立ち位置だけ見たらこれちょっとガイさんみたいですよね。箇条書きマジック!
闇という属性がたまたま手にしたモノにしかすぎない、弱者を守る力として積極的に用いていくのは後述する光と闇の描写を語る上で外すことはできないだろうなぁと思った次第。
未来を染める漆黒の闇って自分で考えたのかな…
・画作りすごっ!!
あげればキリがないです。
僕がウルトラシリーズを継続して拝見してる大きな理由の一つがこれで、多少話運びが平凡でも画が凄ければ「でも画はよかったからまあヨシ!」みたいにインスタントに満足できるタイプなんですよね。
今の監督陣が好きな理由もそこにあって、特にエックスのザナディウム大喜利あたりからずっとだと思ってるんですが、年々監督陣内で俺の見せたいモンはこうじゃ!!俺の面白いと思うものを腹が裂けるまで食え!!みたいな構図がパワーアップしてますよね。
毎回、今日もカレーお代わりしていいのか!?ってなります。カレーといえばリアルの話、最近お湯でカレールー溶いたカレーしか食べてないからちゃんとしたの食べたいなあ。閑話休題。
今回メインの坂本監督はとにかく「新しい」画をお出ししてこられるので、こうなるともう僕みたいな人間は多幸感がすごいです。具体的に言うとZ7話とトリガー1話のGoプロ。酔うわ。
ただ良くも悪くも優先順位をはっきりさせる方だから細かいところはご愛嬌みたいなところもあるけどこれはまたおいおい。最初の3話で超強引だけど全員のキャラをひとまず立てたのは今思うと流石の手腕だったんだなあと思います。とりあえず突貫で土台は組んだから!っていう。あのレベルの超強引さが許容できるかって点は人それぞれだと思いますが。
リブット客演会の前後編、客演と新装備のお披露目回を両立しててすげーって思ってましたが、あれ白眉は実はガッツファルコンの市街地での戦闘描写だと思うの。あれまじすごくない?すごいから見て。
田口監督辻本監督は相変わらず安定してハイレベルでしたね。あえて僕から言うことないし、むしろ逆張り的に重箱の隅をつつきたくなります。こういうとこやぞ。
田口監督はもうウルトラシリーズでは全面的に趣味を押し出していく感じにしたのかな、発言権はあるだろうしなって思いました。他意はないです。愛するモノへのリスペクトと拘りがハンパなくて一昔前の意味で「オタク」ですよね。
様々な事情で劇場版が製作されなかったZに対する執念にも似たヘビーな親心が溢れて隠そうともしてないのは笑います。
エックス当時もティガからウルトラにハマったとおっしゃられていましたが「ティガ放送当時のあの感じを令和に再現する」という割とふわっとしてるコンセプトを文字通り「ティガを令和に再現する」と解釈したなら、19話「救世主の資格」は真っ先に挙げられるでしょうね。
辻本監督は正直エックスではガーゴルゴン前後編はじめ登板回がことごとくあんまハマらなかったんですが(今も)、R/Bのウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ回とハロウィン回で手の平が高速回転しました。
ニュージェネウルトラマンの雰囲気と良い意味でアニメ的な…ぱち台的な?演出がハマったというか…いわゆる勇者パースはもうノルマみたいになってますね。
僕はラストゲームのイグニスダーク・ヒュドラムの巨大化シーンがあ、いいなこれと思いました。ハムの人のアレっぽかったからって理由もなくはない。
監督陣でグッときたのはやっぱり越監督で、メツオーガ/オロチ前後編は「好き度」でかなり上位に来ます。正直Zまでの合成の「合成感の露骨さ」に(メツボロス回の壁面ダッシュするシーンとか)荒削りながらやりたいことにチャレンジする意気や良し!と言いつつ、やりたいことはすごい伝わってくるんだけど…と思っていたんですが、今回脱帽ですよ。興奮してハゲるかと思った。脱帽じゃなくて脱毛なんつってwww
はい。
惜しむらくは、越監督曰く「リシュリアン・グリッター」という顔面にリシュリア星人の紋様が浮かび上がり、金色に光るトリガーダークがそれっきりという点で、僕はこれヒュドラムとイグニスの因縁が決着する回でも出して(描写して)欲しかったです。ていうかイグニスが変身したトリガーダークの唯一性なんだからこんなん出さないと勿体ないって!!!
Z当時、越監督は田口監督から「越だから言うけど」という冠詞付きで少しばかり感想戦があった旨語られてましたが、その辺りも作品へ昇華できたのかな〜とか思ったりします。知らんけど。
ストーリーよりこういう裏話が聞きたくて作品見てる節あって、僕Blu-rayBOX買っても「制作の裏側」みたいな特典映像しか見ないくらいなんですよね。クランクアップの時みんな泣いちゃうのほんと好き、興奮する。ジャグラーとかハルキとか。Zの黒木ひかりちゃんがクランクアップした時泣いてるの完全にイメージから外れてて興奮した。
話が逸れましたね。みんな特撮メイキングとか好きでしょ?って話だよ。違うかも。
細かいとこだといつもの1クール終わった時の総集編が年々手が込んでて面白いんですけど、今年は特によかったと思います。マルゥル回ね。内田監督覚えとかないとなって思った小並感。
話が進まないなりに新規映像でわちゃわちゃしてるのは良い。
・光と闇という属性の描き方
僕はウルトラシリーズだけでなく一般的な創作物を楽しむことについてティガから入ったに近いのでわからないんですが、光とか闇とかいう要素って当時はどうだったんでしょうか。
25年経った今見ると光だ闇だってのはもう手垢のつきまくったテーマになってしまって逆にそれらのワードが出た瞬間チープさが増してしまったりするレベルですが、ニュージェネシリーズでは「オーブ」あたりからハッキリとみんな光だけじゃなくて闇も抱えてるよ、というところに言及し始めた感があります。中には行きすぎてどっちもねーよって虚無主義者になった青トラマンもいましたけど…。
この系譜をどんどん描いてきたから、「トリガー」初報以降で情報がお出しされるにつれて同時に、正直「TFOクローズアップってことはまた光と闇の二元的なストーリーになるのかなぁ」とかいう不安がずっとあったんですよね。ていうかティガ作中の光と闇の話とTFOの光と闇の話の時点で既に別の内容やんとかあるけど…。
色んな人が指摘されてると思いますが、トリガーの最終回における光と闇の描き方はオーブ以来5、6年かけてお出しされた一つの回答でもあるのかなと思います。闇を出自とする四人が光に触れたことによって生まれたそれぞれのドラマだったのかもしれない。クサい?
あくまで本人やたまたま持った能力の抱える一属性に過ぎなくて、生き方は自分で決められるよ(自分で選ぶしかないってことでもあるけど)、光が正義で闇が悪って誰かが決めるもんじゃないかもよっていう。
思えばR/Bの時点でもう光と闇はただの属性に過ぎなかったように思いますが、制作の意図したことなのか販促の都合なのか分からないんだぜ。光と闇のクリスタルって極クリスタル出してからどこいったっけ?
とりあえず「闇側」の人として出てきたカルミラ、ダーゴン、ヒュドラムの3人のいわゆる「闇」的な≒悪役たる部分も三者三様って感じの描写だったもんね。
討たれるべき悪役として貫き切ったヒュドラム大好きよ。死んで❤️
・楽曲が良い
ここでいう楽曲とは主題歌である「Trigger」「なないろのたね」「明日見る者たち」およびトリガー作中で流れたトリガーの劇伴を指します。当然ですね。
僕は昔から歌うことが好きで、コロナ以前は凄い頻度でカラオケ行ったりしてたんですけど(隙あらば自分語り)、「Trigger」歌えないのがストレスってくらいめちゃめちゃグッとくる曲たちだと思います。
サビの部分、「Ready to pull the Trigger〜♪」からグングン覚悟とテンション決めさせられてく感じがアツいンだわ。個人的に一番熱いのイントロ部分なんすけど、「Eye of the tiger」ぽいフレーズからはじまりエレキが展開してくるの否応なしに立ち上がらせてくれる感じがして月曜の朝とか元気が出ます。
特撮OPはカンフル剤だった…?
一方前期ED「なないろのたね」はわりと爽やか形で、これが物語の締めとしてめっちゃ良い清涼剤な役目を果たしてていいんだ。いつか(様々な意味での)蕾が花開くことを信じて願うみたいな普遍的な歌詞だけどスッと入ってきますね。
でもおっさんなので一番と二番でメロディラインガラッと変わるタイプの曲は覚えられないのだ。
製作側としては十中八九劇中でケンゴが育成する植物ルルイエと重ねてんだろうけど僕はそのルルイエに一言言いたいのだ。
後期ED「明日見る者たち」もいいですね。すき。僕ED飛ばしがちなんで的外れなこと言いそうなんですが、ここ暫くこんなしっとり聴かせる曲あったっけ。
パーカッションが入ってくるにつれてどことなくプリミティブな雰囲気で盛り上がるのがいいよね。田口監督とかめっちゃ好きそう。
あとハモリが綺麗で感情というか情緒が壊れる。ユナめっちゃ歌声綺麗じゃない?
Voyagerもそうだけど、女性のハーモニーパートって胸に刺さるものがあるんですよね。フツクシイ…
僕女性ボーカル曲に対して妙にフェチ的というか、すごいニッチでピンポイントに好きな箇所が出てくるんですね。「この『いつの日か蕾が』の『ぼ』が好きなんだよね」みたいな感じのやつ。
そーゆー点でラストの「譲れない光があるから」の豊田さんの絞り出すような「ゆずれ『な』い」が良いから早く聴いてきて下さいホラ!
あと…あと、語彙力が足りません。
ところで僕はこういうキャラソン文化に疎いんですが、キャラが歌ってるのか演者が歌ってるのかどっちの解釈をすればいいんでしょうか?ジードの頃からわからんのよね。
劇伴も基本的にヒロイックな感じでよかったと思います。タイプチェンジも同じメロディのアレンジのパターンも結構増えてきたなあ。マルチタイプのテーマが「風邪ーになーる、アレーになーる(ハァーンハァーン)」って聞こえる…聞こえない?
サントラがちゃんと出てじっくり聴けるまで個別の感想はできませんが、一曲だけこれだけ言わせて欲しい、とにかく良いんですよってのが「勝利のテーマ(タイトル不詳)」。
主題歌のオーケストラアレンジっていう王道ど真ん中の劇伴ですが、何処となく佐橋俊彦的な広がりを感じさせるアレンジとBPMが高めなのが相まって勇壮さを強烈に印象付けられます。
Aパートが少し不穏な感じの音色になってるからサビに入る瞬間の解放感が気持ちいいんですね。
楽曲についてが一番好み入ってて文章が早口ですね。
一晩明けたらキモすぎて全部消しそう。
ここまで7,000文字弱。続きます。