ウルトラマントリガー感想①
予め宣言しておきます。
一文字も余すことなく全て個人の感想です。
2021年7月から始まったウルトラシリーズ、ウルトラマントリガー。先日1月22日に最終回を迎えました。
正直クセの強いシリーズが多い(と思う)ニュージェネシリーズの中でもでもなかなかここまで賛否分かれることもないシリーズになったんじゃないかな、と思って、ふと急に筆をとることにしました。
感想なんて主観が入ってなんぼのもん、僕もフラットな目線とかじゃないです。胸のつかえを言語化したいだけなんです。
もうここまでで「あ、コイツとは話合わないな」と思われた方がいらっしゃったらすみません、多分その印象好転しません。
俺は俺、お前はお前!それでいいだろって思うんですけど。
失礼しました。「お前」は不適切なフレーズでした。
僕の立ち位置を最初に明らかにしておくと
・TDGドンピシャ世代、年齢的にコスモスからウルトラを離脱してハタチすぎくらいに戻ってきてギンガ(ていうか、列伝)からずっと見てます。アクターさん覚えたりはしました。
・昭和は初代だけ全話見てます。タロウは再放送で通しで見たはずだけど覚えてない。
平成は通して見たのはTDGのほかネクサスくらいで、あとは列伝知識です。
・変身アイテムとか防衛隊アイテムとかを買うことには興味ない。アーツ買ってるくらい
・好き嫌いと評価は別モン
・判官贔屓になりがち
っていう感じです。まあマニア層からしたらほんとニワカですよ。お手柔らかに。
僕はこの「好き嫌いと評価は別モン」ってことがすごい大事だと思っていて、この考えが合わない人はそうそういないと思うんだけど、意外に混同しがちなので常日頃から気をつけていたりはします。あくまで自戒であって人にまでどうこういう気はないです。
そいで結論から言うと僕はこの作品普通に好きです。少なくとも嫌いじゃないよ。
評価としてティガが世に出たときのインパクトを再現できたかって言うと、僕は当時3歳児だったので分かりません。おわり。
えぇ…
具体的に好きなとことそうじゃないとこを書いて、この結論に達した説明をしていきますね。
◆好きなとこ
・トリガーカッコいいじゃん!!
いきなり主観という"個人的感想"の鑑。
でも大事じゃん。ウルトラマンでは久しぶりにぱっと見から「あ、かっけー」って思いました。エックス以来かな?
こういうとオーブからゼットまではどうなんだよとか言われそうですけど。二元的にカッコイイワルイじゃなくて、それぞれに思うところがあったってだけです。いや今はみんな好きよ?
話を戻してナイスデザインポイント、まあ皆まで言うだろう小顔感すごいですよね。
マルチタイプは後藤さんデザインのウルトラの中でも割とひさびさに黒あんま使ってないカラーリングだけど紫色が似たような役目果たしてて普通にシュッとして見えるし。
個人的感想ついでに言っちゃうと僕原点のティガの膝から下のデザインがあんまかっこよくなくて好みじゃないんですけど、トリガーは赤と紫をそのまま膝下まで繋げてブーツ的処理をするっていうので「ええやん…」ってなりました。ニッチですね。
↑僕が描くティガ下半身トリミングされがち。
ティガっぽいけどティガじゃない感じがとてもいい…よくない?基本三形態はどれも好みです。
特にスカイタイプ、「ウルトラマンジード」のアクロスマッシャー辺りから青トラマンは2色の青を組み合わせてデザインされることが多いかなと思いますが、いわゆるスピードタイプでは歴代トップレベルのデザインきたな、と思いますね。スピードタイプと弓矢の組み合わせは正義。
・ケンゴアキトユナイグニスのキャラクター描写
ニュージェネの特色は?と言えばまずキャラクター描写が強い点にあると思います。
キャラクター描写一点に限って言えば僕は「R/B」シリーズの湊家が大好きなんですが、
トリガーの3人はR/B組とは違った意味である種の兄妹感があると思っていて。思わない?
家族というより兄妹、ですね。
アキトは2話で出てきて早々感情の振り幅が大きくて、以降一切乗れなかったって人もいそうな感じしますけど、早い段階でブロマンス方面に舵を切ったのはまあ正解だと思います。身内のギスギス毎回見せられるほどストレスなことないんで。
ウザイの一言に込められる感情表現も素直に出てて好きですよ。いや〜脚本の事情とか勝手に汲み取っちゃうからオタクは甘々ですね。
最終回のアキトは設定とかからしても子どもっぽい演技がグッと来る方に作用してて、「それがウザいって…」って嗚咽で言葉が詰まっちゃうとこリアルでよかったです。あれ演技じゃないだろ?
リブットさんと披露したダンスも可愛かったですね。いやもうあれケンゴとユナじゃなくて寺坂頼我と豊田ルナだろクッソかわいいなぁ。
創作物全般キャラクター性を過剰に強く押し出すこと自体があまり好きではないんでここで語れることも多くはないですが、彼ら3人の描かれ方は一部を除いて素直に良いなと思いました。
※僕はもうツブラヤイマジネーションで月イチで配信される「尊哉の部屋」という俳優・青柳尊哉さんが円谷スタッフからいじめられる番組で、寺坂さんと豊田さんがゲスト出演したあの日から、正確にいうと坂本監督の感謝の言葉が贈られて男泣きに泣く寺坂頼我を見てもうトリガーっていうかあの演者たちが好きになってしまったので、どうしても贔屓目な感想になります。
そしてイグニス、飄々とした雰囲気の裏には復讐という闇に身をやつす危うさが…危うさはあんまないという。とにかく早々に主人公たちと仲良くなっちゃうし、元々の善性が隠しきれないし隠そうともしてないし、ヒーロー性が高まっていって、最終的には…「宇宙を放浪してるけど主人公チームたちと仲良いオトナで、一時は暗い力に飲まれたりもするけど自分を取り戻し、地球を救うため光と闇の力で戦い、その後一段落を見届けてどこかへ去っていく」…立ち位置だけ見たらこれちょっとガイさんみたいですよね。箇条書きマジック!
闇という属性がたまたま手にしたモノにしかすぎない、弱者を守る力として積極的に用いていくのは後述する光と闇の描写を語る上で外すことはできないだろうなぁと思った次第。
未来を染める漆黒の闇って自分で考えたのかな…
・画作りすごっ!!
あげればキリがないです。
僕がウルトラシリーズを継続して拝見してる大きな理由の一つがこれで、多少話運びが平凡でも画が凄ければ「でも画はよかったからまあヨシ!」みたいにインスタントに満足できるタイプなんですよね。
今の監督陣が好きな理由もそこにあって、特にエックスのザナディウム大喜利あたりからずっとだと思ってるんですが、年々監督陣内で俺の見せたいモンはこうじゃ!!俺の面白いと思うものを腹が裂けるまで食え!!みたいな構図がパワーアップしてますよね。
毎回、今日もカレーお代わりしていいのか!?ってなります。カレーといえばリアルの話、最近お湯でカレールー溶いたカレーしか食べてないからちゃんとしたの食べたいなあ。閑話休題。
今回メインの坂本監督はとにかく「新しい」画をお出ししてこられるので、こうなるともう僕みたいな人間は多幸感がすごいです。具体的に言うとZ7話とトリガー1話のGoプロ。酔うわ。
ただ良くも悪くも優先順位をはっきりさせる方だから細かいところはご愛嬌みたいなところもあるけどこれはまたおいおい。最初の3話で超強引だけど全員のキャラをひとまず立てたのは今思うと流石の手腕だったんだなあと思います。とりあえず突貫で土台は組んだから!っていう。あのレベルの超強引さが許容できるかって点は人それぞれだと思いますが。
リブット客演会の前後編、客演と新装備のお披露目回を両立しててすげーって思ってましたが、あれ白眉は実はガッツファルコンの市街地での戦闘描写だと思うの。あれまじすごくない?すごいから見て。
田口監督辻本監督は相変わらず安定してハイレベルでしたね。あえて僕から言うことないし、むしろ逆張り的に重箱の隅をつつきたくなります。こういうとこやぞ。
田口監督はもうウルトラシリーズでは全面的に趣味を押し出していく感じにしたのかな、発言権はあるだろうしなって思いました。他意はないです。愛するモノへのリスペクトと拘りがハンパなくて一昔前の意味で「オタク」ですよね。
様々な事情で劇場版が製作されなかったZに対する執念にも似たヘビーな親心が溢れて隠そうともしてないのは笑います。
エックス当時もティガからウルトラにハマったとおっしゃられていましたが「ティガ放送当時のあの感じを令和に再現する」という割とふわっとしてるコンセプトを文字通り「ティガを令和に再現する」と解釈したなら、19話「救世主の資格」は真っ先に挙げられるでしょうね。
辻本監督は正直エックスではガーゴルゴン前後編はじめ登板回がことごとくあんまハマらなかったんですが(今も)、R/Bのウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ回とハロウィン回で手の平が高速回転しました。
ニュージェネウルトラマンの雰囲気と良い意味でアニメ的な…ぱち台的な?演出がハマったというか…いわゆる勇者パースはもうノルマみたいになってますね。
僕はラストゲームのイグニスダーク・ヒュドラムの巨大化シーンがあ、いいなこれと思いました。ハムの人のアレっぽかったからって理由もなくはない。
監督陣でグッときたのはやっぱり越監督で、メツオーガ/オロチ前後編は「好き度」でかなり上位に来ます。正直Zまでの合成の「合成感の露骨さ」に(メツボロス回の壁面ダッシュするシーンとか)荒削りながらやりたいことにチャレンジする意気や良し!と言いつつ、やりたいことはすごい伝わってくるんだけど…と思っていたんですが、今回脱帽ですよ。興奮してハゲるかと思った。脱帽じゃなくて脱毛なんつってwww
はい。
惜しむらくは、越監督曰く「リシュリアン・グリッター」という顔面にリシュリア星人の紋様が浮かび上がり、金色に光るトリガーダークがそれっきりという点で、僕はこれヒュドラムとイグニスの因縁が決着する回でも出して(描写して)欲しかったです。ていうかイグニスが変身したトリガーダークの唯一性なんだからこんなん出さないと勿体ないって!!!
Z当時、越監督は田口監督から「越だから言うけど」という冠詞付きで少しばかり感想戦があった旨語られてましたが、その辺りも作品へ昇華できたのかな〜とか思ったりします。知らんけど。
ストーリーよりこういう裏話が聞きたくて作品見てる節あって、僕Blu-rayBOX買っても「制作の裏側」みたいな特典映像しか見ないくらいなんですよね。クランクアップの時みんな泣いちゃうのほんと好き、興奮する。ジャグラーとかハルキとか。Zの黒木ひかりちゃんがクランクアップした時泣いてるの完全にイメージから外れてて興奮した。
話が逸れましたね。みんな特撮メイキングとか好きでしょ?って話だよ。違うかも。
細かいとこだといつもの1クール終わった時の総集編が年々手が込んでて面白いんですけど、今年は特によかったと思います。マルゥル回ね。内田監督覚えとかないとなって思った小並感。
話が進まないなりに新規映像でわちゃわちゃしてるのは良い。
・光と闇という属性の描き方
僕はウルトラシリーズだけでなく一般的な創作物を楽しむことについてティガから入ったに近いのでわからないんですが、光とか闇とかいう要素って当時はどうだったんでしょうか。
25年経った今見ると光だ闇だってのはもう手垢のつきまくったテーマになってしまって逆にそれらのワードが出た瞬間チープさが増してしまったりするレベルですが、ニュージェネシリーズでは「オーブ」あたりからハッキリとみんな光だけじゃなくて闇も抱えてるよ、というところに言及し始めた感があります。中には行きすぎてどっちもねーよって虚無主義者になった青トラマンもいましたけど…。
この系譜をどんどん描いてきたから、「トリガー」初報以降で情報がお出しされるにつれて同時に、正直「TFOクローズアップってことはまた光と闇の二元的なストーリーになるのかなぁ」とかいう不安がずっとあったんですよね。ていうかティガ作中の光と闇の話とTFOの光と闇の話の時点で既に別の内容やんとかあるけど…。
色んな人が指摘されてると思いますが、トリガーの最終回における光と闇の描き方はオーブ以来5、6年かけてお出しされた一つの回答でもあるのかなと思います。闇を出自とする四人が光に触れたことによって生まれたそれぞれのドラマだったのかもしれない。クサい?
あくまで本人やたまたま持った能力の抱える一属性に過ぎなくて、生き方は自分で決められるよ(自分で選ぶしかないってことでもあるけど)、光が正義で闇が悪って誰かが決めるもんじゃないかもよっていう。
思えばR/Bの時点でもう光と闇はただの属性に過ぎなかったように思いますが、制作の意図したことなのか販促の都合なのか分からないんだぜ。光と闇のクリスタルって極クリスタル出してからどこいったっけ?
とりあえず「闇側」の人として出てきたカルミラ、ダーゴン、ヒュドラムの3人のいわゆる「闇」的な≒悪役たる部分も三者三様って感じの描写だったもんね。
討たれるべき悪役として貫き切ったヒュドラム大好きよ。死んで❤️
・楽曲が良い
ここでいう楽曲とは主題歌である「Trigger」「なないろのたね」「明日見る者たち」およびトリガー作中で流れたトリガーの劇伴を指します。当然ですね。
僕は昔から歌うことが好きで、コロナ以前は凄い頻度でカラオケ行ったりしてたんですけど(隙あらば自分語り)、「Trigger」歌えないのがストレスってくらいめちゃめちゃグッとくる曲たちだと思います。
サビの部分、「Ready to pull the Trigger〜♪」からグングン覚悟とテンション決めさせられてく感じがアツいンだわ。個人的に一番熱いのイントロ部分なんすけど、「Eye of the tiger」ぽいフレーズからはじまりエレキが展開してくるの否応なしに立ち上がらせてくれる感じがして月曜の朝とか元気が出ます。
特撮OPはカンフル剤だった…?
一方前期ED「なないろのたね」はわりと爽やか形で、これが物語の締めとしてめっちゃ良い清涼剤な役目を果たしてていいんだ。いつか(様々な意味での)蕾が花開くことを信じて願うみたいな普遍的な歌詞だけどスッと入ってきますね。
でもおっさんなので一番と二番でメロディラインガラッと変わるタイプの曲は覚えられないのだ。
製作側としては十中八九劇中でケンゴが育成する植物ルルイエと重ねてんだろうけど僕はそのルルイエに一言言いたいのだ。
後期ED「明日見る者たち」もいいですね。すき。僕ED飛ばしがちなんで的外れなこと言いそうなんですが、ここ暫くこんなしっとり聴かせる曲あったっけ。
パーカッションが入ってくるにつれてどことなくプリミティブな雰囲気で盛り上がるのがいいよね。田口監督とかめっちゃ好きそう。
あとハモリが綺麗で感情というか情緒が壊れる。ユナめっちゃ歌声綺麗じゃない?
Voyagerもそうだけど、女性のハーモニーパートって胸に刺さるものがあるんですよね。フツクシイ…
僕女性ボーカル曲に対して妙にフェチ的というか、すごいニッチでピンポイントに好きな箇所が出てくるんですね。「この『いつの日か蕾が』の『ぼ』が好きなんだよね」みたいな感じのやつ。
そーゆー点でラストの「譲れない光があるから」の豊田さんの絞り出すような「ゆずれ『な』い」が良いから早く聴いてきて下さいホラ!
あと…あと、語彙力が足りません。
ところで僕はこういうキャラソン文化に疎いんですが、キャラが歌ってるのか演者が歌ってるのかどっちの解釈をすればいいんでしょうか?ジードの頃からわからんのよね。
劇伴も基本的にヒロイックな感じでよかったと思います。タイプチェンジも同じメロディのアレンジのパターンも結構増えてきたなあ。マルチタイプのテーマが「風邪ーになーる、アレーになーる(ハァーンハァーン)」って聞こえる…聞こえない?
サントラがちゃんと出てじっくり聴けるまで個別の感想はできませんが、一曲だけこれだけ言わせて欲しい、とにかく良いんですよってのが「勝利のテーマ(タイトル不詳)」。
主題歌のオーケストラアレンジっていう王道ど真ん中の劇伴ですが、何処となく佐橋俊彦的な広がりを感じさせるアレンジとBPMが高めなのが相まって勇壮さを強烈に印象付けられます。
Aパートが少し不穏な感じの音色になってるからサビに入る瞬間の解放感が気持ちいいんですね。
楽曲についてが一番好み入ってて文章が早口ですね。
一晩明けたらキモすぎて全部消しそう。
ここまで7,000文字弱。続きます。